ビザは渡米目的によりB-1 ビザとB-2 ビザの2つに分類されます。商用を目的とする訪問はB-1 ビザであり、観光や友人親戚の訪問・病気の治療・社交団体の会議や集会への参加はB-2 ビザとなります。
B-1ビザは、米国を源泉とする給与、またはその他の報酬の受領を伴わない商用を目的とした方が申請対象となります。ここでの商用とは、一般的には実際の労働以外の活動に従事することを意味します。販売、ボランティア(奉仕活動)、修理技術者、講演者・講師、会議出席、研究者、投機的事業、医学研修、在宅勤務等、就労を伴わない商用目的の渡米が対象となります。
例えば、米国で開催される展示会のために渡米する人で、展示ブースの設営、サンプルの陳列、契約書の署名、日本で製作される製品の受注などが該当します。米国で製造されたものを実際に販売・受注することはできません。
日本の企業で販売されている機械、機器の設置、サービス、または修理などを行う目的の渡米で、それらが売買契約書に明記されている場合が該当します。またBビザは、上述の商工業設備および機械の設営・運営・修理のために米国人の研修を行う目的で渡米する技術者にも該当します。
講演の目的で渡米し、滞在に必要な経費を除いて米国を源泉とする報酬を受けない場合もB ビザが該当します。また、講演者、講師が必要経費以外に報酬を受ける場合は、次の条件を満たせばB ビザが該当します。
Bビザは、事業の予備調査や立ち上げのために渡米する人にも該当します。Bビザは調査や立ち上げ段階における業務は許されますが、米国での事業運営はできません。その場合は、LやE などの就労ビザが必要になります。
B-2 ビザは、商用以外の観光・友人や親戚訪問・病気の治療・友好または社交団体などの会議及び集会への参加・音楽・スポーツイベントへの参加などが該当します。B-2 ビザの申請には、米国の訪問は短期滞在であり目的が終了すれば速やかに米国を離れ、本国へ帰国する意思があることを証明する必要があります。その証明には次のようなことが挙げられます。
Bビザの有効期間は最大で10年ですが、目的・内容によって大使館領事が判断します。ビザの有効期間内であれば通常入国後6ヶ月間の範囲内で滞在許可が与えられますが、この滞在許可についても入国審査官の判断によるところとなります。日本はVWP(Visa Waiver Program)対象国ですので、90日以内はビザ申請をすることなく入国が認められます。従ってあえてビザを取得しなければならない明確な理由がない場合、Bビザの発給は難しいのが現状です。またBビザで長期にわたり米国滞在・米国出入国を繰り返している場合、Bビザに適した目的以外での滞在であると疑われ、入国審査が厳しくなる傾向にあります。
日本からの投資や日米間の貿易を目的として渡米する場合に適したビザです。そのビジネスの形態により貿易ビザ(E-1)と投資ビザ(E-2)に分かれます。E ビザ保持者はそのビザスポンサー(雇用主)に雇用される場合に限り米国で就労が可能です。E ビザは、基本的には5年間のビザが認可されますが、その要件が充分に満たされていなければ、期間が縮小され2年や1年の場合もあります。E ビザは無期限に延長が可能です。また移民局への申請は必要ありません。直接在東京米国大使館・在大阪米国総領事館に申請することが出来ます。申請者は現地採用の職員でも申請は可能です。また雇用契約締結後であれば、雇用前でも申請者はビザを申請することが可能です。申請者の給与支払いについては日本・米国どちらから支払うことも可能です。21歳未満の家族の帯同も可能です。Eビザは①企業登録 ②申請者 同時に申請します。企業登録のみはできません。
L-1AとL-1Bの2種類があります。L-1Aは上級管理職、L-1Bは専門職のビザです。日本会社(派遣元)と米国会社(受入先)は、親子関係または関連会社である必要があります。親子関係、関連会社とは、過半数以上の株式や実際の支配権を有していることが必要となります。また、米国に派遣される従業員は、派遣される前直近3年間のうち継続して1年間を日本の親会社、子会社或いは関連会社でフルタイム勤務している必要があります。但し派遣される従業員は日本国籍である必要はなく、日本にある企業から米国親会社への派遣も可能です。受入先は実態があれば、米国内の支店や・支社などへ派遣することも可能です。移民局へのPetitionを行うため、米国移民弁護士に手続きを依頼する必要があります。21歳未満の家族の帯同も可能です。
日本にある会社から国内にある子会社や支店、又は関連会社に上級管理職以上の職務に就く場合のためのビザ。派遣される従業員の職務は、社長や副社長、部長などのように会社経営・管理全体にかかわる業務に従事しているなど上級管理職以上の職務が要求され、それを経歴によって証明することが必要になります。
日本にある会社から米国内にある子会社や支店、又は関連会社に専門職に就くためのビザ。派遣される従業員の職務は、高度な専門性が要求されます。またその専門性は、一般的な知識や経験によって取得できる専門性では足りず、その派遣される会社独自の専門性が要求されます。 従って、例えば経理や営業のように一般的なレベルでの専門職はL-1Bの専門職には該当せず、エンジニアなどの理系の職務の方がその会社独自の特別なスキルを持ち合わせていることが多く一般的にはよりL-1Bに該当します。
米国に現地法人を持ちL-1ビザ申請件数が多い企業/団体については、移民局にBlanket Petition(包括請願書)、現地法人登録することにより、移民局のPetition申請することなくビザ申請手続きが進められます。移民局Blanket Petitionには、通常のL-1ビザ申請の他に以下の要件が必要です。また当申請は米国受入企業/団体が移民局に申請しなければなりません。
実務研修、研究などが渡米目的ビザです。目的別に14のカテゴリに分かれています。対象者は日本の大学・短大・専門学校を卒業した人、又は高校を卒業した人で、研修を行う分野の専門職に5年以上の実務経験が必要です。(研修分野と関連のある学位を取得している場合は、修学年分を実務経験に換算することが可能) 移民局が認可した交換研修プログラムを実施する米国団体(Visa Sponsor)へ申請・承認が必要になります。米国での研修が目的ですので研修終了後は日本に帰国してその研修を役立てることが前提です。米国にある大企業や・大学・研究機関などにおける研修では、研修先自体が国務省から認可されたプログラムを持っている場合があり、その場合は受け入れ先企業/大学・研究機関がJ-1ビザ申請に必要な適格証明書(DS-2019)を発給、J-1ビザを申請します。 しかし、多くの場合は受入先に独自にこういったプログラムを持っていないため、国務省教育文化局が承認した研修プログラムを実施する団体(Visa Sponsor)へ申請、適格証明書(DS-2019)の発行を受けJ-1ビザを申請します。派遣元企業-米国受け入れ先企業との資本関係の有無を問わないため、取引先や業務提携を視野に入れた企業への研修も可能です。日米いずれからも手当(給与)の支払いが可能です。21歳未満の家族の帯同も認められます。
当協会において手続きを承っております。プログラムの詳細についてはこちらから。
H-3 | J-1 | |
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研修スタイル | Lecture(講義)中心 OJTは認められない | 実務研修(OJT) |
米国移民局申請 | 必要 | 不要 |
研修期間 | 最長 24ヶ月 | 最長 18ヶ月 |
E | L | J-1 | |
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申請者の条件 | 上級管理職 高度な専門知識を有する者 |
上級管理職 高度な専門知識を有する者 |
米国研修内容と関連する業務経験 (学習経験) があること。 |
米国移民局申請 | 不要 | 必要 | 不要 |
資本関係 | 要 | 要 | なし |
税制面 | 居住者 | 居住者 | 非居住者 |
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